掲載情報:2017/01/16発行 第3431号 10面
樹脂ベルトの2016年度生産量(日本ベルト工業会に加盟する6社合計)は、105万932㎡(前年比102%)となる見込みで、その内訳は、内需が100万7189㎡(同102%)、輸出が4万3743㎡(同104%)となる予想。
前年に続いて100万㎡の大台を確保できる見込みだが、その要因としては、前年に引き続き食品業態向けの需要が底堅く推移したことに加えて、物流業態向けの需要が伸びたことが挙げられる。
食品分野は景気の影響を受けにくく、それが堅調な需要につながっている。また、コンビニエンスストアの販売統計(JFA:日本フランチャイズチェーン協会調べ)によると、コンビニの店舗売上高は16年11月まで、45ヵ月連続で前年同月実績を上回っており、おにぎりや弁当など日配食品の販売が堅調な他、近年は宅食ニーズの増加からレトルト・チルド系の商材が品目・数量を増やしている。こうしたコンビニ向け食品加工工場の需要が増加傾向にあることも、樹脂ベルトの生産を伸ばした要因の一つと見られる。
物流に関しては通信販売の拡大により、物流拠点の新設が活発だったことが搬送ベルトの需要増につながった。通販市場の売上高は、2015年まで17年連続で増加が続いており(JDMA:日本通信販売協会調べ)、直近10年の平均成長率は6・9%に上っている。
樹脂ベルトの2017年度の需要予測は、111万4130㎡(同106%)と、前年に続いて100万㎡の大台を確保できる見込み。内訳は内需が106万8580㎡(同106%)、輸出が、4万5550㎡(同104%)と、全般的には17年度と同じような状況が続くと考えられる。
最大需要先の食品業態は、横ばいと推定されるが、物流関係の需要が出ると期待されることから、前年より上積みした予測となっている。