掲載情報:2017/12/4発行 第3471号 6面
バンドー化学の2017年3月期第3四半期の伝動ベルト製品の業績は、自動車関連では、補修用は前年並みで推移したが、国内の生産台数の減産やベルト非装着車が増えたことなどの影響を受け減少。海外では、中国、タイなどで堅調に推移。市場拡大が続いているインドおよびベトナムで二輪車用ベルトが伸長したが、円高の影響を受けた。
一般産業用は、アジアでは農業機械用が増加したが、国内、欧米の設備投資が低調で、その影響を受け産業機械用が減少した。また、精密機能部品については、OA機器メーカーの減産の影響を受け減少となった。
このような状況から、伝動ベルト製品全体の業績は、前年同期比1桁台前半の減少で推移した。
通期では、ほぼ現状の水準で推移すると見通している。
また17年度の業績については、中期経営計画BF‐1最終年度であり、米国のトランプ政権による通商政策の影響などの不確実要素はあるものの、全体としては需要の増加が期待できると考えている。海外、特に中国、タイ、ベトナムを伸長させていくとしている。
同社では昨年10月に神戸・東京で開催した「バンドーテクノフェア」で平ベルト駆動システム「HFDシステム」やシンクロベルト「Ceptorシリーズ」、低弾性ベルト「リブエース・フィット」、ユーザーの厳しい要請に応えた「リブエース・ハイテンションタイプ」などの特長品を展示・紹介した。今後はこれらの特長品、高付加価値製品に注力、さらにラインアップを充実させ、国内市場のシェアアップと海外市場の拡販を推進する。
「HFDシステム」は、省エネとCO2削減に大きく貢献する伝動システム製品として、採用実績も年々増加。また、高剛性、高弾性の構成部材により、高トルク伝動を実現した、高負荷対応の「Ceptor-Ⅹ(セプターテン)」は、シリーズ最上級グレードとして高く評価されている。
近年、幅当たりの伝動容量で高負荷対応が求められており、高付加価値製品の拡充を推進している同社では特長品の開発に取り組み、未開拓分野への拡販を図る。