掲載情報:2016/09/26発行 3419号7面
ニッタのベルト事業の搬送用樹脂ベルト「NLG」は、食品・物流分野を中心に展開している。
上半期の国内の搬送用樹脂ベルトの動向では、食品分野で地産地消を目的に工場が多く建設されたことで、前年と比較すると伸びた。一方、物流分野は、インターネット販売の普及により物流業界が活気づいていることに伴い、物流分野で多くのシェアを獲得しているカーブコンベヤが前期に引き続き好調だった。
さらに、カーブコンベヤのラインナップのなかには、小物搬送に適した小径ローラを採用したエコノミーカーブコンベヤ「EC―Ⅰ」があるが、食品向け需要増に伴い販売が好調である。
通期の見通しについては、松川孝治工業資材事業部ベルト事業部グループ営業部部長は「一般産業の需要について、不透明感は否めないことは確かだ。物流分野は好調が続いているが、一旦落ち着くのではないか。ただし、食品分野の伸び代は、まだ大きい」と考え、中長期経営計画「V2020」の定量目標達成に向けて積極的に営業活動を展開していく意向である。
同社の樹脂搬送ベルトの特長は、食品分野を中心にラインナップが充実していることであり、90年後半から、いち早く抗菌・抗カビのSIAAマークを業界で取得するなど、顧客のニーズに対応し、販売先を拡大している。
今期の営業戦略については、さらに食品分野に注力していくことを挙げている。そのため、6月に開催された「FOOMA JAPAN 2016」には、欧州のPIM規格に適合した13種類のNLGを紹介したほか、異物検査ラインに使用できる透過性ベルトを参考出品したことで、従来の
ベルト機能に高い付加価値を付けたことをPRている。
特に、NLGの新製品である食品搬送用高機能ベルト「WEXUー7ANS/WEXU14ANS」は、従来の耐湿熱、低収縮、耳ホツレ防止などの機能に加えて、耐次亜塩酸ナトリウム、物理収縮防止、抗菌、防カビなどの新機能を追加しオールインワン製品を実現している。
また、物流分野でシェアが高いカーブコンベヤの販売力を活かし、NLGの販売を促進・強化していく計画だ。
同社では、商社・代理店の若手営業マン向けに「ニッタスクール」を開催しており、新製品の理解を深めながら、営業を促進する活動を行っている。
今後の市場について、松川部長は「確かに国内市場は縮小傾向だが、食品分野においては、食品用ベルトのニーズは広がっており、依然として需要は底堅い。だからこそ、NLGのシェアについては、伸ばせる可能性が大きいと言える。攻めの姿勢で販売に取り組んでいきたい」としている。