掲載情報:2016/03/05発行 4面
中興ベルトは、親会社である中興化成工業のふっ素樹脂技術をベースに、ふっ素樹脂製搬送ベルト「チューコーフローベルト」のユーザーへの更なるサービス向上のため、2009年10月に設立された。ふっ素樹脂の特殊性を熟知した製造・サービスのスタッフが、その特性を活かし過酷な環境での新ニーズ、新市場に向けてユーザー目線で最適なソリューションを提供している。ゴムとふっ素樹脂の複合タイプもラインナップされている。
社長の今里英雄氏は「今期の売上高は前年比4%~5%増と大きくはない。昨年の5月、6月ころは動きが鈍かったが、それ以外は底堅い動きだった」と業況を語る。底堅さの要因は「主力ユーザーである建材向けのメーカーが、東京を中心とした旺盛な需要に支えられ好調だったことが大きい。当社では、納期対応やサービスの充実に努めてきた」と言う。
同社は昨年FOOMAに初出展し、食品用に特化して開発したふっ素樹脂ベルト「BEF‐1092」をアピールした。「当社独自では初出展。注目度も高く、展示会後の問い合わせも多かった。食品加工機械はマーケットとして安定しており、当社も数社の大口ユーザーはあるが、全体のパイから言えばまだまだごくわずか。新たなユーザー獲得に向けて、ふっ素樹脂だけでなく、シリコーンなど他の素材でも特色ある機能を活かせるアプリケーションを積極的に開発、更なる売り上げ増に繋げていきたい」。
「量的な拡大のためにはふっ素樹脂ベルトだけでは限界がある。現在、新製品を検討しているが、当社にとって新しいものと言う位置づけ。同じ分野であっても他社とは毛色の違った製品を上市したい。そのためには、社員の技術レベルを更に上げていくことが不可欠だ。それにより、お客様の課題に敏感に反応し、製品開発へのより高度な情報のフィードバックができる。現在そのためのシステムを構築中」とも。
海外市場については「ふっ素樹脂ベルトは、現地でのフォローが不可欠のため、当社での海外比率はまだ低い。一部、繊維処理の分野で円安を背景とした国内回帰の動きも見られる」と話す。
設立から足掛け8年、営業スタッフも更に拡充され”未来へ運ぶ”をスローガンに、同社の特色を活かした今後の展開が注目される。