掲載情報:2013/09/05発行 6面
「現状での売上高は、去年より若干上回っている。今期は着実に一桁増の売上を目指していく」と話すのは、三ツ星ベルト産業資材営業第1事業部次長の熊田隆文氏。同社第1四半期の一般産業用伝動ベルトの状況は、国内は前年同期並み。海外も米国は現地通貨ベースでは前年同期並みにとどまったが、欧州では景気低迷の中、新規市場での農業機械用の拡販活動が奏効し一般産業用が伸長。またアジアも中国やインドネシアを中心に一般産業用・自動車用・OA機器用がいずれも増加した。 「国内は補修がメーンだけに、動きはまだ鈍い。しかし6月、7月とOA機器用やATM用、また射出成型機用などで回復傾向が見られる。海外は歯付がOA機器への組み込み用で量的な回復は、明るい兆しと言えるが、最終製品のコストレベルが落ちてきており、利益面では厳しい状況だ」。 「お盆休み以降から11月半ばまでは農業用の補修市場が動く。いざというとき在庫切れを起こさないよう万全の態勢を整える」と話す。同社では昨年、農機用Vベルトの最高峰「スーパーAG‐X」を開発。新開発のカバー布とV芯ゴムを採用し、耐摩耗性・耐衝撃性を向上させ、従来品比で1・6倍の耐久性を実現。農業機械の大型化に対応した製品だ。「今年度は本格的に販売する。既に在庫拡充も完了した」と。
現在、同社が注力しているのは省エネVベルトの「e‐パワーシリーズ」。8月にはクリーンルーム用送風機向けの省エネベルト「e‐パワーα」を発売。表面に特殊処理を施した帆布カバーを採用し、ゴム粉の発生を従来品比で10分の1に抑えた。そのため精密機器等を取り扱う特殊環境下で、空調設備の高性能フィルターの交換回数削減が可能。コグ形状の採用でベルトの屈曲性も向上させた。節電効果及び寿命は「e‐パワーVベルト」と同等だ。伝動ベルトでは珍しい白色ベルト。 「e‐パワーシリーズ」は、動力損失が少なく消費電力を低減できる、従来プーリが使用できる、コンパクト設計が可能等の特長から、幅広く浸透してきており、同社では、今後も、大きなニーズがある省エネ対策として同シリーズの拡充を図る。