掲載情報:2015/05/25発行 2面
2015年度ベルト伝動技術懇話会の総会・講演会が5月15日、同社大学今出川校地の良心館で開催された。 飯塚博会長(山形大学)は「時代の要請を読み取ることはなかなか難しいが、日々の技術の研鑽を怠ってはいけない。昨日まで全国工学部長会議で和歌山にいたが、その中で工学系の人材の育成が話題となった。これからものづくりの人材は15万~20万人不足する、と言われている。また大学ではここのところの学力の低下も叫ばれている。小、中、高を含めた人材育成が重要だと感じた。当会やその他の学会等で様々な情報を得て、明日からの研究に役立てて頂きたい」と挨拶した。
続いて議案審議に入り、14年度活動報告、決算報告、監査報告が行われた。また役員改選では、飯塚会長が再任され、副会長にはゲイツ・ユニッタ・アジアの中村晴彦氏、同志社大学の大窪和也氏が選任された。そして15年度活動計画、予算、会則の一部改正が原案通り承認された。 総会に先立って行われた講演会第1部は「ベルト最新事情」として、ベルトメーカーだけでなく、材料、ユーザー、大学と幅広い会員を持つ同会の特色を発揮し、様々な方面から次の5つの講演が行われた。
▽「変速ベルト使用車両の現状と今後の展望」(ヤマハ発動機・保科太治氏)▽「ガラスコードの高機能化を目指して」(日本板硝子・梶原啓介氏)▽「トルクコンバータ用複板ロックアップクラッチの摩擦面温度解析」(エクセディ・貴志祐也氏)▽「寿司バーコンセプトと自社機械の開発」(鍋谷バイテック・杉山孝司氏)▽「ベルトのFEM解析に関する最近のトピックス」(三ツ星ベルト・徳田明彦氏)。 総会後に行われた講演会第2部では、「当会のHPの変遷とこれから」を小武内清貴幹事(岡山県立大学)が、また「Q&Aの運営方法と質問者へのアンケート結果について」籠谷正則幹事(大阪産業大学)が、活動状況を報告した。同会のHPでは、「Q&Aページ」「用語集ページ」を設けているのが特長だ。それによると、Q&Aでは、ベルトの技術情報へのニーズが高い状況が報告された。
第3部では、国際標準化に関する特別講演として「ISO国際標準化動向」のテーマで、日本規格協会(JSA)の北川順久氏が講演を行った。北川氏は、標準化の組織、日本の国際標準化主要関係組織、国際規格開発に携わる組織と人、国際規格開発の手順等、国際会議、JSAが提供する人材育成事業などを説明。「日本が不利にならないよう戦っていくことが必要だ」と語った。 その後、情報交換会が行われ名誉会員の小山富夫氏が乾杯の発声。和やかな歓談の後、大窪副会長の中締めで散会した。