掲載情報:2014/02/25発行 8面
ベルト伝動技術懇話会の第17回講習会が、京都の同志社大学室町キャンパス寒梅館で行われた。
今回は「ベルト技術の基礎、応用、実例」と題し、ベルト伝動技術の「基礎」の把握から「応用」を通して「実例」まで、4つの講演が行われた。はじめに企画委員長の三上伸路氏(日本板硝子)が「1996年からスタートした企画委員会の講習会も17回目を迎えました。今後も皆様のお役に立つ企画を考えていきますので、ご参加をお願い致します。本日は雪の中、ご参加いただきありがとうございます」と挨拶した。
最初は「工業繊維の基礎」と題し、帝人高機能繊維事業本部生産・研究開発部門ソリューション開発部補強材料ソリューション課の鈴木芳史氏が、伝動ベルトなどゴム製品に使用されている工業用繊維材料の種類や特長、一般物性等について紹介した。また高機能繊維として、同社のアラミド繊維「トワロン」「テクノーラ」「コーネックス」の特長や用途等も紹介した。繊維全般に及ぶ講演は珍しく、全体像をつかむことができる貴重な内容となった。最後に鈴木氏は「テイジンは独自の素材と構造で顧客に新たな機能や価値、ソリューションを提供していく」と結んだ。
続いて「ゴム材料と伝動ベルト」のテーマで電気化学工業青海工場有機材料研究部担当部長兼千葉分室長の阿部靖氏が講演。ゴムの定義、種類と物性、ゴム製品の高性能化に寄与している配合について解説した。また、同社が製造し、伝動ベルト用途にも使用されているCRについても説明を行った。阿部氏は伝動ベルト用CRの高性能化について、低発熱性ポリマーという新たなコンセプトを導入し、ラップドVベルトで寿命が3倍に延長した新CRについても解説を行った。