平ベルトコンベアの蛇行について教えて下さい
平ベルトの蛇行と巻き付け角には関係があるのでしょうか?ベルトの蛇行をテールプーリとドライブプーリの間にスナブプーリを付けて蛇行調整する場合、スナブプーリに掛かる巻き付け角は多い方が蛇行も取れやすいのでしょうか? もしくは、テールプーリとドライブプーリがしっかりと張られている箇所に、スナブプーリを付けて巻き付け角が少ない状態でも蛇行は取れるのでしょうか?
 まず、蛇行調整用のスナブプーリに掛かる巻き付け角度は30度以上をお勧めいたします。調整効果を得るためには、添付図のようにテールプーリに入る手前で、調整方向も接触する円弧の中心軸の直行軸方向に傾けます。考えとしては、一般的な左右の張力差によるものではなく、スナブプーリの回転方向でベルトの進行方向を変える。車などのハンドルを切る感覚で調整します。
また、ベルトとの摩擦係数が大きい方が効果が高いので、ベルトの搬送面の摩擦係数が大きいタイプでは僅かな調整量で効果が得られます。
次にベルトに掛かる張力との関係につきましては、駆動プーリ等につけるクラウンとは張力が大きい方がクラウン効果は得られますが、スナブプーリとの関係は有りません。
最後に蛇行調整を短時間で済ませるためと、ベルトの寿命に関する注意点として下記内容を参考としてください。
①プーリにクラウンを付ける場合は、軸荷重と摩擦係数(ゴムライニング加工の場合)が大きい駆動プーリが適しています。
②蛇行調整の基本は、コンベヤフレームが堅牢で、各プーリのアライメントがしっかり取られていることが重要です。
③プーリ径は巻き付け角が小さくても全てのプーリは各ベルトメーカが推奨している最小プーリ径を順守して下さい。
④ベルトの取付時張力につきましては、仕事量に対応した適正な量を算出して付与して下さい。一般的に、軽搬送では0.3%張れば十分だと思います。
⑤蛇行調整用スナブプーリをテンションプーリとしては使用しないで下さい。
⑥蛇行調整用プーリはベルトに掛かる張力が小さい方が調整時にベルトに掛かる負荷を小さくできますのでゆるみ側、それもテールプーリ手前を推奨いたします。
今回検討されている機構では、テールプーリを左右同じ量だけ張るようにして下さい。

*垂直方向では、左右のベルトに掛かる張力が変わってきますので、特に搬送面の大きなベルトでは調整効果が得られません。

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